公開日: 2023/05/11
では、ポータブル電源の劣化を少なく、最大限長持ちさせるコツを4つ解説します。
ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオン電池は、高温多湿の環境下で保存や充放電することで、バッテリーの劣化を早めてしまいます。
特に40℃以上になると劣化速度が早まります。最適な温度は、20℃〜30℃と言われていますので、人が過ごしやすい環境をポータブル電源も好むと覚えておきましょう。
0%(過放電)と100%(過充電)にしないのは、とても難しいです。
まず、0%の状態で長時間放置すると、再充電できなくなる可能性があり、寿命を短くする以前に、使えなくなってしまいます。過放電による故障は、筆者が運営している「ポタブルン」と言うポータブル電源の専門ブログによく寄せられる問い合わせです。
また、100%の状態で長時間放置すると、電池内の電圧が高い状態で保たれる為、バッテリーの劣化が早まってしまいます。 ポータブル電源は、いざという時に直ぐに使えるように、100%で保存したい気持ちもありますが、60%〜80%程度で保存することで、劣化を最小限にできます。
リチウムイオン電池に蓄えられた電池容量は、自然放電によって少しづつ減っていきます。
リチウムイオン電池の種類によって自然放電量は変わりますが、半年で10%〜20%ほど放電していきます。 仮に車中泊キャンプで使用して、20%残ったままシーズンを終え、半年以上放置した場合、電池残量が0%の過放電状態になり、再充電できなくなる場合があります。
このように、意図的に0%にしていなくても自然放電していくので、長期保管する場合でも定期的に充電する必要があります。ポータブル電源を災害時の備えとして購入する方は、特に注意が必要です。普段、全く使用しないで、倉庫に置きっぱなしにしていると、緊急時に過放電で残量がなかったり、再充電できない故障につながります。
日常的な節電対策として使ってみたり、緊急時を想定してポータブル電源を使ってみることで、劣化や故障を防ぎ、非常時の訓練にもなるのでおすすめです。
ポータブル電源の中では、充電しながら放電(パススルー)をしても劣化しない機種もあります。
パススルー対応のポータブル電源は、充電中に放電する場合、バッテリーを介さずにACコンセントから直接、使用する家電へ給電している為、内蔵されているリチウムイオン電池を痛めません。パススルー対応以外のポータブル電源では、バッテリーを充電して、充電した電力を出力している為、バッテリー内部で同時に充電と放電が行われている状態になります。
リチウムイオン電池は、化学反応を利用して正極と負極をリチウムイオンが移動することで充電と放電を行っています。 この化学反応を同時に行うことで、劣化を早めてしまいます。
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では、実際の使用シーンで気をつける点を解説していきます。
近年、ポータブル電源の性能向上とアウトドアブームにより、夏の暑さをポータブル電源と家電で対策する方が増えました。例えば、車中泊キャンプをする場合、目的地に向かう道中で休憩、買い物、観光をする場合もあります。
エンジンを止めた車内の温度は、平均温度50℃以上になる場合もあり、ダッシュボードは80℃近くまで上がります。そんな高温環境にリチウムイオン電池を放置すると、最悪の場合、発火や爆発を起こします。「車内でモバイルバッテリーが爆発した」というニュース、毎年目にします。
ポータブル電源も同様リチウムイオン電池を搭載しているので、車内に置いて買い物等に出る場合は、最も温度が上がりにくい後部座席の足元に設置するようにしましょう。その際、スノコなど敷くと、隙間ができ熱が篭るのを防いでくれます。キャンプでは、直射日光を避けて設置。閉め切ったテント内も高温環境になるので、気をつけましょう。
出発前に80%まで充電して、シガーソケットやソーラーでこまめな充電を心がけましょう。筆者は車中泊旅する際に、運転中はシガーソケット充電、日中天気の良い日はソーラーパネルで充電していて、なるべく30%〜60%をキープするように意識しています。
とはいえ、使いすぎて0%になったり、充電しっぱなしで100%になっていたことがありました。私が今使っているポータブル電源は、充放電レベルを設定できるので、20%未満になったら電源をオフに、80%以上になったら充電を止めるように設定しているので、自動で制御してくれます。
アプリ対応の最新ポータブル電源の中には、充放電レベルの設定が行える機種もあるので、残量を気にしながら使うのは疲れる! と言う方におすすめです。
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