公開日: 2022/08/20
ありがたくもここまで読み進めてきて頂いた方は、「ん?」とちょっと引っかかる部分があるかもしれません。なにせこのデリカは新車ではなく、17年前に製造された「中古車」ですしね。「故障怖い、、」なんて言いながらなぜまた中古車を選んだのか。
そのワケは、故障や維持費といった様々な不安要素やリスクをも遥かに凌駕する、「ワクワク」がこのデリカには詰まっていたからです。ラシーンやジムニーには無かった、広い広い車内空間に、ぼくの滾(たぎ)った「バンライフ熱」を注ぎ込めるという欲の方が勝ったわけです。
言うなれば、「半地下の部屋からビヨンセの別荘に引っ越すような感覚!?」これは誰だってワクワクしますよね笑 初回の内容でも少し経緯に触れていますが、ぼくは VANLIFE という名の天竺へ向かうため、埼玉で中古の筋斗雲を買ったというわけです。
デリカ スペースギア、通称「スペギ」というと、2度見してしまうくらいド派手にドレスアップしたオフロード仕様のものを多く見かけますが、ぼくが選んだ一台は、ロングボディにハイルーフというちょっと珍しいモデル。
購入時の走行距離は約3万キロ。故障歴もナシ。価格は30万円。10人乗車可能という広々空間。筋斗雲というよりはトトロに出てくるネコバスみたいな感覚で、やりたいことのすべてを優しく包んで後押ししてくれるような、まさに「結婚相手」ともいえる存在でした。
2018年の秋、この運命の出会いともいえるデリカが納車されてから、ぼくのバンライフ熱は一気に加速。仕事そっちのけで車内のカスタムに勤しみ、あっという間に家族3人が横になれる「バンライフカー」を完成させました。
近場でのキャンプはもちろん、山梨や千葉、伊勢神宮へ向けてクルマ旅にでたりと、ラシーンやジムニーに乗っていた頃とは比べ物にならないくらいフットワークが軽くなり、これまでストレスに感じてきたすべてのこともきれいサッパリ解消。妻や娘にとってもこの空間は魅力的だったようで、キャンプ場についてもテントを張らず車内で就寝するというスタイルは違和感なく受け入れられました。
家族3人、日中は椅子に腰掛けて、遠くの木から飛び立つ鳥を眺めたり、川に入ってカゲロウを探したり。夜は軽く食事を済ませ車内で思い思いに過ごした後は、その日一日の出来事を笑って話しながら寝袋にもぐる。
朝、カーテンを開けると夜露が光る森の景色がすぐ目の前に。こんな非日常体験がクルマ一台あれば簡単にできるんだから、自然を感じるべくキャンプしに行きたくなるのは当然ですよね。このときすでに、無意識ではありましたが「バンキャンプ」を実践していたんだと思います。
「より身近に、そして手軽に自然を体感する」というのが、ぼくが考えるバンキャンプの醍醐味。もうすでに「ビヨンセの別荘」に引っ越したという方も、まだこれからという方も、ぜひVANCAMP という自由度の高いアウトドア体験を取り入れてみてはいかがでしょうか。テント泊とはまた違った、新しい感覚が芽生えたことにきっと気がつくはずです。