公開日: 2022/08/20
ラシーンと聞いて、「あー、“ゆるキャン” のやつね。」と反応するか、「おー! 懐かしい!“ドラえもん”のCM見てたなー。」と返してくるかで大体の年齢がわかりそうなところですが、ぼくはかろうじてゆるキャン派です笑
そんなラシーン。実は高校生の頃からずっと片思いし続けてきた特別なクルマでした。登下校中によく見かけた、あの個性的な後ろ姿が忘れられず、せっかく買うなら憧れ続けた「ラシーンがいい!」と、中古車情報を漁る毎日。
少しでも良い状態のものをと、わざわざ電車に乗って現車確認しに行ったりもしましたが、そんな「憧れの先輩」がいたのは、意外にもすぐ近所にある個人経営の小さな中古車販売店でした。たまたまホームページを覗いてみたところ、あの頃と全く変わらない姿の片思いの相手がそこにいたのです。
これにはとても興奮しました。そんな「憧れの先輩」とお付き合いできるチャンスを決して逃すまいと、ぼくの初めての1台はこのラシーン一択でした。
中古車とはいえ、約12年越しで念願のラシーンを手に入れてからというもの、湘南の海岸線をドライブしたり、キャンプフェスへで出かけたりと、妻と2人で使用するには申し分のない充実したカーライフを送っていました。
ここ最近人気が再燃中という感じも見受けられますが、あの唯一無二のフォルムは何年経っても色褪せないデザインだと思うし、いまだに街で見かけるとつい目で追ってしまいます。完全に未練たっぷりですね。
このころはまだ自分の中に「車中泊」という選択肢はなく、キャンプといえば当然「テント泊」。お気に入りのイエローフライのMSR マザハバ をラゲッジスペースに積み込んで、キャンプフェスへ繰り出しては、サカナクションやスペアザ、レキシや在日ファンクといった日本人アーティストたちのライブで朝まで踊り狂っていました。懐かしー!
そんなキャンプフェス三昧の生活から一変、娘の成長とともに、全高の低いラシーンではチャイルドシートの乗せおろし時のアクセスの悪さや、高速道路走行中の不意の故障への不安など、「子供を同乗させる上での相性」という面でいろいろとストレスに感じることが増えてきていました。
そんなストレスや不安からの開放を目指すべく、買い替えを検討し目をつけたのが、前々から浮気心のあったスズキの「ジムニー」。自分の好み的には、JA11や 22といった旧型モデルを狙いたいところではありましたが、故障のリスク軽減も乗り換えに際しての一つの基準となると、「新車」という選択しかありませんでした。
ぼく自身の価値観として、いずれ汚れたり傷ついたりするものを「新品」で購入することにあまり魅力を感じないのですが、そこはリスク回避のためということで。もちろん、しっかり整備されたクルマであれば中古車であっても故障の可能性は低いと思いますが、あくまでも「不安やリスク」を軽減するということが目的でしたので、その辺りは広い心で流してください(苦笑)
そんなこんなで、専門のカスタムショップで理想のカタチに組んでもらった小柄なジムニーちゃん。小回りも効くし、維持費も安い。ジムニー最高! 口では「新車じゃなくてもいい」なんて言ってても、実際目の前にいるとそれはそれは嬉しいのです。なんたって、「新品」なんですもん。
一途に想い続けた初恋の相手、ラシーンとお別れしたこともあっさり忘れてしまうほど、新しいパートナーのジムニーちゃんに愛情をそそぐ日々でした。過去は引きずらず、後ろも振り返らない質の超絶ポジティブ人間がなにを隠そう、このぼくなので仕方ありません。
ルーフキャリアを取り付け、バイザーを取り付け、オーディオを取り付け、ステッカーカスタムもしてと、ちょっとずつちょっとずつ自分の理想のスタイルへと「着せ替え」を楽しみながら、その間当然キャンプへも出かけました。
家族3人が乗車するとかなり荷室を圧迫するので、キャンプギアの殆どはルーフキャリアへ。 2.5インチリフトアップ車のルーフに妻の手は届かないので、荷揚げや荷おろしはすべてぼくがこなします。運転もぼくの担当。
キャンプ場へ到着し、まだ小さい娘の子守を妻に任せているその間に、タープやテントの設営。その逆の流れも当然ぼくです…。真夏の太陽の下、これには正直疲れました。
終日汗しかかかず、楽しい記憶より疲れた記憶の方が遥かに勝ってしまっていたんです。何年も続けてきたテント泊もマンネリ気味。幼い娘を連れてのキャンプもちょっとしんどい。
そんな感じでしばらくキャンプとは疎遠になっていた時期、その日は突然訪れたのです。それがVANLIFE(バンライフ)との出会いです。
稲妻にうたれて死んで蘇りました。といわんばかりの「おとせサンダー」的な出来事でした。それに加えて、17年落ちの元送迎車こと「デリカ スペースギア」との出会いも。結局、ジムニーとは1年ちょっとでお別れするカタチとなりました。