公開日: 2021/07/25
2枚目は、2016年の北海道キャンプ旅で訪れた、函館の観光スポット「旧函館区公会堂」でのワンシーンです。国の重要文化財「旧函館区公会堂」には衣装館が併設されていて、有料で当時の衣裳を着用して、館内を周遊・撮影することができます。
この年、長女は部活動の休みが取れず、旅の終盤に飛行機で合流したのですが、限られた日程の中でも「ここだけは行きたい!」と熱望していました。多感な中学2年生ですが、恥ずかしがらずに自分から行きたいと言ってくれたことが、とてもうれしかったのを覚えています。
華やかなドレスを身に着けた13歳の長女とタキシードを身に着けた8歳の長男と一緒に、館内を周遊していたときのことでした。どこかで見たダンスパーティーのワンシーンを覚えていたのでしょうか、長男が長女をリードしてダンスの真似を始めました。恥ずかしそうに笑いながら、それにこたえる長女。明治時代にタイムスリップしたような館内でダンスをする姉弟の姿が、今でも鮮明に思い出されます。
我が家の旅では「子供はゲストではなく、旅を共にするメンバーの一員である」という考え方を貫いてきました。子供もチームの一員として、「自分にできることをやる」。旅を通して、子供たちは頼りになる相棒へとたくましく育ってきました。
それを実感したのが、2017年夏の北海道キャンプ旅で、野付湾沿いに広がる「尾岱沼ふれあいキャンプ場」に泊まったときのこと。当日はあいにくの雨ふりでしたが、長期の旅に悪天候はつきもの。家族そろってカッパと長靴を着込んで普段通りの楽しいキャンプライフを送りました。雨もまったく気にせず楽しめるのは、長年旅を共にしてきた経験があってこそです。
キャンプ場に到着して設営をしているとき、子供たちはキャンピングカー用とキャンプ用のポリタンクをそれぞれ手にして、水くみに行きました。親に言われなくても「自分にできることをやる」のが我が家の旅のルールですが、それが当たり前のように、雨の中で重いポリタンクを運んでいる子供たちの姿を見て、うれしく誇らしく思ったのを覚えています。