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道の駅キュレーター流"初訪問の道の駅"の楽しみ方。オープン間もない和歌山県「海南サクアス」に早速行ってみた!

海の幸山の幸が揃う充実のショップ

海南サクアスの物産交流館は、大きく分けて3つのエリアにゾーニングされています。

地元の特産品に出会える産直マルシェ

明るい雰囲気の「産直マルシェ」には海南市の特産品が並ぶ

道の駅のある下津町地区はミカンの栽培で知られ、12月頃に収穫したものを1~3カ月貯蔵庫で貯蔵した「蔵出しみかん」が有名です。こうすることで酸味が抜けて甘みが増すとされ、この仕組みは「日本農業遺産」にも認定されています。

旬の時期はもう少し先ですが、みかんジュースがたくさん並んでいました。

オープン時には早生のミカンのほか、ミカンジュースも。こうした陳列も産地ならでは。

意外と知らなかったのが、キッチンまわりで使うスポンジやたわしなどの家庭用品を製造する企業が海南市には多いこと。その始まりはたわしや箒に使う「シュロ」の栽培が行われていたからだといいます。

現在は化学繊維に移行しているそうですが、昔ながらのシュロ製品も販売しています。

イートインスペースで味わう海南のうまいもの

続いては飲食やテイクアウトのエリア。

「刺身定食」(1,680円)新鮮な刺身のほかにフライやあら汁も付いてくる

市内には5つの漁港があるということで海産物が豊富。鮮魚コーナーと飲食コーナーが一体になった「魚盛水産」では、地元漁師直送の新鮮な魚介類が堪能できます。刺身、焼き魚、揚げ魚、あら汁が付いた「魚盛定食」、丼から魚がはみ出してしまうほどの「海鮮丼」など豪華なメニューもありますが、ミカンの皮を飼料に使ったブランド鶏「紀の国みかんどり」の唐揚げ定食や太刀魚のすり身を練りものにした「ほねく」の載ったうどんやそばなども味わえます。

また、その隣にはフルーツを使ったタルトやパフェが味わえる「SHIMOTSU FRUITS」があります。ガラス越しに作っているところを見られるのも昨今の道の駅で流行りのスタイル。市内にある黒沢牧場で放牧飼育されている牛の生乳を使ったソフトクリームもこちらで販売しています。

季節のフルーツを使ったタルトやパフェが味わえる「SHIMOTSU FRUITS(シモツフルーツ)」

ちなみにこれらは館内のイートインスペースで味わえます。ガラス張りの明るいスペースにはキッズ用含め100席準備されているので、余程混雑しない限りは充分な大きさです。

ファミリーにもうれしい、のんびり空間

最後に子育て支援設備のエリア。

こちらには「こどものえき(キッズコーナー)」や子ども用トイレ、ベビールームがあり、屋外のかもしばテラスには芝生広場や大きな滑り台もあります。また、周囲は塀で囲われているので広々とした屋外空間でありながら、安心して子どもを遊ばせることができるのも嬉しいところ。

キッズコーナーの「こどものえき」

こうした設備は、新しくできる道の駅にはほぼ標準で設置されてきています。これは現在、国土交通省が推進する「道の駅」第3ステージの政策の中にも若い世代の利用促進を目的に加えられていて、徐々に浸透してきている印象です。

子連れで行かないと意外と気づきませんが、道の駅は世代の垣根を越えて快適に利用できる場所になりつつあります。

道の駅キュレーター目線で「海南サクアス」を評価

ざっと海南サクアスの特徴を紹介しましたが、道の駅キュレーター的にどうなの? という部分はあると思いますので、私のお気に入りになる道の駅の傾向と比較して評価してみます。

まず、「地域の食材や商品のストーリーを伝えているか」。

これは海南のフルーツや海産物を前面に押し出して、スペースづくりをしているのを強く感じました。

魚介類を扱う「魚盛水産」は購入も飲食も楽しめる

このあたり運営会社の他地区でのノウハウが活かされていますね。いずれも旬のある食材なので、季節の情報がうまく加味されればリピーターも増えるのではないでしょうか。また、紀州漆器などの工芸品や工業製品など地場産業をしっかりアピールしている点も好印象でした。今後道の駅のイベントなどで連動しても面白そうです。

次に「6次化に取り組み、商品・メニュー開発を行っているか」。

運営の方針なのかもしれませんが、残念ながら道の駅オリジナルの商品は見かけませんでした。逆に地域からさまざまな商品を集めて売り場を作っていたので、既存の業者と競合するのではなく、販売の場として道の駅を活かすイメージでしょうか。ただ、今後業者がこの道の駅でしか買えない商品などの開発をしてくれるかもしれないので、そちらも期待したいです。

最後に「地域の人が集い、拠点として機能しているか」。

これはオープン日しか見ていないので何とも言えませんが、充分その条件を満たす素地は感じました。特に子どもたちが遊べるスペースが確保されていることで、ファミリー層に一定の滞在時間が期待できるのは大きいですね。

屋外の「かもしばテラス」には芝生やすべり台もあり、ファミリー層ものんびり過ごせる空間になっている

まずは、その名前に恥じない道の駅になったのではないでしょうか。

忘れちゃいけない防災機能

この道の駅を語る上でもうひとつ大事な「防災機能」があります。2021年には国土交通省が「防災道の駅」を選定するなど、道の駅の広域防災拠点としての機能が注目されています。海南サクアスにも、発電装置や防災備蓄倉庫、防災トイレなども設置されるなど、有事に備えています。

市内でも2023年6月の豪雨で被害が出たばかり。観光で行くのだから関係ない、と思ってしまうところですが、もしも旅先で被災したときのことを考えると、道の駅がこういった機能を持っていてくれるのは心強いところです。こういった側面を併せ持っているのも新しい道の駅の特徴です。

海南サクアス訪問時の様子は、YouTubeでも紹介しています。こちらも是非ご覧ください。
・道の駅兄弟(YouTube):https://www.youtube.com/watch?v=XT9hnUx3qWs

道の駅「海南サクアス」(和歌山県)

・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/wakayama/13789/
・公式HP:https://sakuas.com/
・和歌山県の道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/wakayama/

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