公開日: 2022/07/16
理想のベースカーをゲットしてからというもの、近所のすべてのホームセンターへ通いつめては、資材を調達しつつ憧れの「VANLIFE」に少しでもお近づきになりたいと、クラッシュ&ビルドする日々。
いま思い返すと本業そっちのけで、かなりDIYの比重高めでした。もちろん本来の目的であった車中泊やキャンプも快適になり家族からも好評。とても充実した日々でした!
その一方、ぼくがせっせとDIYしている3年間の世界線と並行して、同じように「バンライフ」を発信する方々がどんどん増えてきていたのも事実。Instagram はもちろん、YouTube での関連動画などもあっという間に増え、実際にクルマで寝泊まりしながら日本を旅しているリアルバンライファーの方々の様子を見ながら、ある日ふと我に返りました。
ぼくには庭付き一戸建てのマイホームがある。ぼくのこれは「本当の VANLIFE」じゃない。
いまの日本において「VANLIFE」の定義はめちゃくちゃ幅広くて、そこに「旅」が絡まずとも、ましてや車内でオーバーナイトを過ごさない日帰りドライブだって、バンライフとして語られています。
以前、Beyond magazine にてライターの佐藤氏に取材をしていただいた際の記述がとても印象的で、ぼくの中で腑に落ちた内容だったので一部抜粋してご紹介しますね。
というように、この日本での解釈のあり方として“自作のキャンピングカー” に乗って出かけていれば、だれでもバンライファーってことで全然アリなんだと思うんです。が、その頃のぼくはなんか自分の中でのモヤモヤが拭い去れず、ガチで車上生活をしながら日本を旅しているリアルバンライファーの方々がいる中で、バンライフを謳ってSNS投稿することに引け目のようなものを感じている状況でした。
そんな日々が続く中、同じように自作のバンに乗る仲間たちに声をかけ、柄にもなくオフ会キャンプを主催するという機会がありました。
みんなそれぞれ車種や内装のコンセプトが異なることもあって、「DIYしたバンを見せあおうよ!」と4台が集まり、丹沢湖近くのプライベートキャンプ場で1晩を過ごしたのですが、その時の様子がぼくにとってめちゃくちゃ印象的で、まさにぼくらのスタイルを象徴したような、そんな光景を目の当たりにすることになりました。
テントはもちろん、誰一人としてタープすらも張らず、ただチェアと最低限のギアを無造作に置くだけ。食事はというと、バックドアを屋根代わりにその下でお湯を沸かしカップラーメンをすする。夜になるとみなクルマの中に戻り思い思いの時間を過ごす。
何も言い合わせることもなく、あたかもそれが当然かの様に。
完全にクルマが主役のキャンプスタイルでした。すぐ横には川が流れ、森に囲まれた場所で夜は野生動物の気配を感じながら自作のバンに宿泊する。
「そう!」これこそまさに求めていた、新しいスタイルのキャンプ「VANCAMP(バンキャンプ)」だったんです。
ぼくたちバンキャンパーの共通点の1つとして挙げられるのは、思い立ったその瞬間にキャンプへ出発できるということ。基本的に必要なものはクルマの中に揃っているし、極端にいうと就寝するためのスペースさえあれば何も問題ないわけです。
食事はコンビニで買って車内で食べればいいし、キャンプ中に天候がくずれたり、なにか不都合が生じた場合にはすぐに場所の移動もできる。
例えば、ぼくの場合のモデルケースを挙げるとすると、娘が学校から帰宅したタイミングに合わせて夕方に親子2人で出発。キャンプ場へ到着するまでの間にファミレスで食事を済ませてしまう。そしてキャンプ場で1泊。朝日を見てそのまま帰宅する。という弾丸キャンプへもよくでかけます。
テントやクーラーボックスを積んだり下ろしたり、設営や撤収という時間がない分、手軽にそして身軽に出発できてしまいます。
要は、クルマに乗って自然を目指す! 山でも海でも川でも湖でもどこでもいいんです。時間にとらわれることなく、自分のタイミングで非日常を体験することができるのが「VANCAMP(バンキャンプ)」の醍醐味なんじゃないかとぼくは考えています。
■「小濱 潤平」の記事一覧
・僕の愛車遍歴と現在の愛車に中古のバン、三菱「デリカ スペースギア」を選んだ理由
・30万円で買ったバンをDIY。自分の好みに、自分たちにとって快適なクルマをつくる楽しみ