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日本人のルーツを求めて!? 旅の運気が爆上がりの島で湖畔車中泊【すみません、ボクら、迷子でしょうか?:第5話】

話題作『今夜世界が終わったとしても、ここにはお知らせが来そうにない。』(WAVE出版)の著者が、“車と旅”の海外版について語る新連載エッセイ。

“楽園を探す海外放浪夫婦が、中古の軽自動車を買って北海道から南アフリカへ。

警察官の賄賂を断ってジャングルに連れ込まれ、国境の地雷地帯で怯え、貧民街に迷い込み、独裁国家、未承認国、悪の枢軸国、誰も知らないような小さな国々へ。

南アフリカ・ケープ半島の突端「喜望峰」で折り返して日本に戻ってくる予定が……。”

【第5話】「軽自動車の冬タイヤはありませんか?」

軽自動車で、南アフリカへ向かっている。

フェリーに乗って稚内からサハリン島へ渡り、間宮海峡を越えて、ヨーロッパ大陸の本土に上陸した。さあ、これから地球横断ドライブが始まるのだ! と張り切ってすぐに、エンジン警告灯が点灯したまま消えなくなった。

神さまから、バカなことはやめておけ! と釘をさされたのだろうか。しかし、南アフリカへ行くと大見得切って、まだ2週間。カッコ悪くて、帰るに帰れないのである。なるべく警告灯を見ないようにして、西へ進んだ。

モンゴルの道路は、ガードレールも側溝も付いていない遊牧民仕様。
軽自動車であっても簡単に草原に入れる

モンゴルに入り、草原のど真ん中で車中泊をした。パリのエッフェル塔まで見渡せそうな絶景の丘で、天下統一を夢見て早々に寝たところ、嵐になった。

氷点下50度は朝飯前! と豪語するモンゴルの嵐は、横綱級の突風に急速冷凍を伴っていた。筆者は夏用の寝袋を愛用しているので、すぐに装着感すらなくなり、生きたまま凍らぬよう、全身の毛穴を閉じて、歯を食いしばって寝た。

翌朝、愛車「Chin号!」のドアを開けると、外は白一色。雪原と化していたのである。おお、なんて美しきかな銀世界…、なんて呑気なことを言ってる場合ではないのだよ、自分。

冬タイヤ、持ってきてないじゃん! 幸い陽が昇るとともに雪は溶けはじめたので、首都ウランバートルへ急いだ。

「この車の冬タイヤはありませんか?」

町中を探しまわったけれど、1本も売っていなかった。しかし、心配には及ばない。モンゴルで軽自動車は一台も見ていないので、悲しいかな想定内なのである。とりあえず、市場でラクダの布団を買った。

モンゴルに雪が降るなんて、考えたこともなかった

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