公開日: 2023/01/31
キャンピングカー製造の裏側に迫る本企画「~キャンピングカーができるまで~」。特別連載#3となる今回は、いよいよRVランドが送り出すFIAT DUCATO(フィアット デュカト)バンライフモデル制作の様子をお届けします。
これまでの特別連載#1、#2でお伝えしてきたように、バンライフモデルはバンライフビルダーの鈴木大地さん(以下 大地さん)が制作を担当します。大地さんがデュカトの実車を確認したのは、RVランドの阿部代表との初めての打ち合わせが行われた日だったのですが、実は打ち合わせを終えて初めて実車を確認しているまさにその時に、最初の障害と言える部分が見つかっていました。
↓ 特別連載#1、#2 のおさらいはコチラから ↓
RVランドから大地さんへのオーダーは、1つはこれまで作られてきたバンライフ車のような、「居心地の良い居住空間をデュカトで実現してほしい」というもの。そして、もう一つが2023年2月3日から開催される「ジャパンキャンピングカーショー2023に間に合わせてほしい」というものでした。
打ち合わせが行われたのは2022年12月7日。お披露目まで2カ月弱という段階でしたが、年末年始が入るため制作できる日数は短くなります。また、納車目前という段階ではありましたが、デュカトに取り掛かる前に制作していたバンライフ車もあったため、実質的に約1カ月半という期間で、大地さんは初めて向き合うデュカト バンライフ仕様を完成させることになります。
普段は制作期間としてだいたい1カ月~2カ月間を目安としてお伝えしているそう。「時間があるような、ないような。とにかく、できることをどんどん進めていきます」と大地さん。
阿部代表から、車内図面とともに色を入れる前のイメージパースが大地さんに渡されると、図面とパースを確認しながら次々に質問が阿部代表に飛んでいきます。その中で興味深かったのが、両者の制作工程の違いです。
例えば床の制作の部分、もともと大工として建築を行っていた大地さんは、断熱→配線→仮木材という順で仕上げていくのですが、RVランドでは断熱を行った後に床を作り、配線は後で行うそう。これはキャンピングカービルダーさんには一般的な作り方で、配線は車体の下から調整できるため、この順で制作を行っていくとのこと。
そして打ち合わせは、デュカト バンライフモデルのより具体的な部分に進みます。シートの生地はどれにするか、キッチンの蛇口はどんなタイプがバンライフの雰囲気に合うか、ウッド化にアイアンの家具を合わせてはどうか、天井や壁に使う木材のタイプまで、注文住宅を作るのと同じように、旅先の車内で快適に過ごしてもらうためのインテリア作りは、細部にまでおよびました。
阿部代表は、最初の打ち合わせの後も定期的に大地さんのアトリエを訪れ進捗を確認。LINEでのやり取りを含め、適宜修正と変更を加えながら、バンライフモデルの制作が進められています。なお、バンライフモデルの天井や壁面に使用する木材は、パイン羽目板。温かみの感じられる車内で、自由な旅を楽しめるキャンピングカーが提案されるようです。