公開日: 2023/01/21
FIAT PROFESSIONAL(フィアット プロフェッショナル)のベストセラー商用車で、2022年に日本市場へ初導入された「FIAT DUCATO(フィアット デュカト)」。フィアット デュカトの正規販売代理店となったRVランドは、デュカトでオリジナルのキャンピングカーを製造し、2023年2月に千葉県の幕張メッセで開催されるジャパンキャンピングカーショー2023で完成車両を初披露します。
RVランドによるデュカトは、キャンピングカー仕様とバンライフ仕様の2モデルとなっていて、キャンピングカー仕様はRVランドが、バンライフ仕様はバンライフビルダーの鈴木大地さんが制作を担当します。
デュカトをベース車に、RVランドがどのように架装しどんなキャンピングカーを送り出すのかをお伝えする本企画「~キャンピングカーができるまで~」。特別連載#2となる今回は、鈴木大地さんのインタビューをお届けします。
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——Mobility Story編集部(以下 編集部):RVランドさんから制作を依頼された時、率直にどのように感じられましたか?
鈴木大地さん(以下 大地さん):純粋にうれしかったですね。というのもバンライフ仕様車等、クルマの制作を始めてからまだ日は浅いので※。
※編集部注:元々大工として建築の仕事をしていた大地さんは、2018年9月から車両制作を開始。
「僕のような新参者は、キャンピングカー業界の方にどう思われているのか?」と考えた時があって、ここ何年かで出てきたみたいな人間なので「もしかしたらあんまり良く思われていないんじゃないかな」と、実は不安を感じてたんですよ。
なんて言うか、老舗と言われるビルダーさんもある業界で、異業種からやってきたわけですし…。なので業界のビルダーさん、それも大手のRVランドさんからお声をかけてもらえたのは、“これまでの仕事を認めてもらった”ような気持ちがして、純粋にうれしかったです。
——編集部:RVランドさんから正式にご依頼を受けてから、返答するまで悩まれたりすることはなかったですか?
大地さん:それはなかったです。即答で「やります」とお返事させてもらいました。ただ、初めてRVランドの阿部代表とお話させていただいた時に、失敗しちゃって…。
——編集部:失敗と言うと?
大地さん:昨年の夏に共通の知人を通して阿部代表に挨拶させていただいたんですけど、「お忙しいですか?」って聞かれた時に、「そうですね、(仕事が)空く暇がないですね」って答えちゃったんですよ。
今回のお話も受ける余裕がないと捉えられてもおかしくないように答えてしまって、一度別れた後に「ヤベっ、間違えた」って思って。その後に慌ててもう一度お話する機会をもらって、弁解させてもらいました苦笑
——編集部:デュカト バンライフ仕様車、完成形のイメージはもうできていますか?
大地さん:RVランドさんと相談しながら、皆さんに楽しんでもらえるクルマを作っています。ただ、完成形をイメージしてから作り始めるのって、実は難しいんですよ。今回もそうですし、これまでもそうなんですが、初めてのクルマを作る時って、作業を進めていく中でどうしても障害と呼べるものが段階的に出てくるんです。
ある程度はイメージをして、先を見ながら作ってはいきます。ただ、やっていく中で障害が見つかったりするので、どちらかと言うと完成形に向けて進めていくというより、やっていきながら(障害を)一つ一つ潰していくっていうのが正直なところですね。
クルマの架装って、最初の1台を作るのが大変なんですよ。でも逆に言うと1台作ってしまえば、2台目からは勝手がわかっているので、全然変わってきます。