公開日: 2022/03/12
2月に幕張メッセで開催されたジャパンキャンピングカーショー2022で、愛知県に拠点を置くキャンピングカービルダーのファンルーチェは、新型「Yosemite(ヨセミテ)」を展示しました。ヨセミテは、トヨタのカムロードをベースにしたキャブコンタイプのキャンピングカーで、新モデルは2代目のヨセミテとなります。
ヨセミテは、ハイエースではなくトラックベースのキャンピングカーなので、収納力、積載力は抜群です。その一方で、走行性能をできるだけハイエースに近づけることを目的に製造されていて、「キャンピングカーは人を乗せて走るクルマ」と、いうところを大切にするファンルーチェらしい一台に仕上がっています。
長旅に出たくなるキャンピングカー。約5年ぶりに復活を果たしたファンルーチェの新型ヨセミテをご紹介します。
ファンルーチェは、トヨタのハイエースベースを中心としたキャンピングカーを製造しているキャンピングカービルダーですが、ヨセミテのベース車両はトヨタのカムロードです。そのため、ヨセミテをつくる際のポイントは、カムロードの良いところを活かしつつ、特に走行面でできるだけハイエースに近づけることだったそう。
走行面をハイエースに近づける工夫は、エクステリアの随所に現れていて、例えば運転席上にあるバンクベッドの張り出し。リーゼントのような部分が、イメージするザ・キャンピングカーよりも抑えられているのが伝わるのではないでしょうか。
これは、風の抵抗を受けにくくするためで、風をうまく流すことで走行安定性を高めるためです。ヨセミテは、ファンルーチェのフラッグシップモデルであるハイエースベースの「Serengeti(セレンゲティ)」のようにボディにボリュームはもたせておらず、なるべくボディを絞ることで風通しをよくしているとのこと。
さらに床の高さから下の部分、スカート部分に重量をもたせているので、ドライバーに一般的なカムロードよりも安心して走れると感じてもらえるそう。バランスの良い走りのために、ハイエースの走行性にできるだけ近づけられるように設計されています。
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ファンルーチェのフラッグシップモデル「セレンゲティ」
トラックベースのキャンピングカーとなると、後ろの荷台部分に居住スペースを載せるため、床の高さは最低でも80cmほどになり、ハイエースよりもワンステップ高くなります。腰の位置が高い車になるということは、走行安定性にはマイナスの影響を及ぼしてしまいます。そのためハイエースとの差を1cmでも2cmでも詰めることで、走行安定性につなげているとのこと。
また、床が高いキャンピングカーには、乗り降りの問題も浮上してきます。トラックベースのキャブコンには電動等のステップが付いているものもありますが、ステップは便利な反面、砂をかんでしまったり、寒冷地等では雪をかんでしまったりして、出にくくなったりするトラブルにつながる可能性もあります。
そのトラブルを避けるために、ヨセミテはエントランスが低く設計されているので、年配の方や子どもにも乗りやすいキャンピングカーに仕上がっています。
ヨセミテの走行性以外の部分に目を向けると、トラックベースのキャンピングカーであることの利点もしっかり活かしていることが分かります。トラックベースのキャンピングカーは、エクステリアにスペースをとることができるので、そのスペースに収納を設けることができるのです。
ヨセミテは、エントランスの横やリヤ部分に収納スペースが用意されています。上開きのドアが多い中、ドアを下開きにしたのは、荷物の出し入れをしやすくするため。その半面、下開きとなると雨が浸水するリスクも出てきますが、そこはしっかり押さえこんでいます。
また、ヨセミテは、ルーフがフラットになっています。これは風と雨の両面でメリットが出てくるそうで、運転中のフロントガラスに雨が落ちてくる可能性を減らしています。
逆に停車した状態では、雨は横ではなく、前に流れてくる設計になっているので、乗り降りする際等に雨が落ちてきて濡れるという可能性が少なくなっています。同時に風の抵抗も受けにくいので、走行性の安定にも寄与しています。