まずお伝えしたいセレンゲティの魅力は、車内空間の防音性です。車内に入ってみると、すぐにその違いに気が付くことでしょう。
キャンピングカーショーの最中、周囲は会場内アナウンスの音などで騒々しい環境。しかし車内に入った瞬間に、はっきり空気が変わり、静かさを感じることができるほどの防音性でした。
この防音性の秘密は、セレンゲティのボディを支えるフレーム構造にあるそう。渡辺さんに、フレーム構造について解説してもらいました。
「厚さ2mmの鉄骨『スペースフレーム』が車体をしっかりと守り、外側にはFRP(繊維強化プラスティック)を採用しています。
断熱材を少し入れ空気の層を設けます。それをラッピングし空気の動きを止めると、緩衝材のプチプチのようになり、音の出入り、熱の出入りを抑えることができます。
例えばサービスエリアでの休憩中など、大型車のエンジン音などが他の車よりも気にならない。体験していただければ、明らかな違いをお分かりいただけると思います」
「ドアの開け閉め一つにしても、他の車にはない“音の表現”ができています。
一般的なパネル構造のキャブコンは、35mmの厚みで成形しますが、弊社のキャブコンは5~6cmの厚みがありますので、音と熱の出入りを抑えることができます」
断熱性にも長けたセレンゲティ
防音性とともに渡辺さんの口から出てきたのは、セレンゲティのもう一つの魅力である断熱性。ファンルーチェが断熱性を重視しているのは、北海道、九州エリアに多くお客様を抱えていることがあるからとのこと。
「弊社のお客様には北海道、九州の方が非常に多いため、温度の高低差に強いクルマを重視しています。 夏場、外の気温が40℃以上という環境下、様々な車で温度を測定したところ、セレンゲティは他の車よりも車内温度が約8℃~10℃低かったです。
まずは、なるべく動力を得ずして居心地の良い車内空間を実現する設計にしています。それでも足りない時に(エアコンなどの)動力を使って補ってもらう。
今、キャンピングカーはトラックやハイエースなど商用車がメイン。商用車は、後ろに人よりも物を載せて運ぶということがベースにあります。しかしキャンピングカーは、後ろに人を乗せるもの。
走行安全性を担保しつつ『人を乗せて走るために、何をしなければいけないか』を考えてキャンピングカーを作っています」