公開日: 2020/12/25
キャンピングカーのことをよく知らない人でも、何となく「家と同じように車内で生活できるクルマ」であることは理解していると思います。快適な生活を送るために欠かせないのが、電気。キャンピングカーには照明や冷蔵庫、テレビ、電子レンジなどの電化製品が搭載されていますが、どこから電気を確保しているのでしょうか?
「エンジンをかけっぱなしにして使用する」と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。キャンピングカーには、エンジンを止めた状態でも電気を使える「生活電源」が搭載されているのです。
今回は、キャンピングカーの生活電源(=サブバッテリー)について解説します。
サブバッテリーは、キャンピングカーに装備されている「快適な車内生活の要」です。
自動車には、エンジンの始動やライト・エアコン・カーナビなどの電装パーツを稼働させるためのバッテリーが搭載されています。使った分の電気は、エンジンの動力でオルタネーター(発電機)を回してバッテリーに充電する仕組みです。
キャンピングカーの場合は、車両に搭載されているバッテリーとは別に、生活に必要な電気を供給するためのバッテリーが搭載されています。キャンピングカーの世界では、自動車にもともと搭載されているバッテリーを「メインバッテリー」、生活電源として追加したバッテリーを「サブバッテリー」と呼んで区別しています。
キャンピングカーの車内で使用する電化製品は、すべてサブバッテリーから電力が供給されるため、エンジンを切った状態でも照明や冷蔵庫、ヒーター、テレビなどを使うことができます。インバーターを介してサブバッテリーの電気をDC12VからAC100Vに変換することで、家庭用の電化製品も使用可能です。
万が一サブバッテリーの容量を使い切ってしまっても、メインバッテリー側の電力消費はなく、エンジンの始動や走行に支障をきたすことはありません。
快適な車内生活をサポートするサブバッテリーは、キャンピングカーに欠かすことのできない存在です。ただし、あくまでもバッテリーですので容量には限りがあり、電気を使用した分だけバッテリーの容量は減っていきます。では、減った分の電気はどのようにしてまかなわれるのでしょうか?
キャンピングカーのサブバッテリーには、繰り返し充放電ができるディープサイクルバッテリーが使用され、走行中に車両のオルタネーター~メインバッテリー~サブバッテリーを並列接続する「走行充電システム」が組み合わされています。
メインバッテリーと同様に、車両のオルタネーターから充電される仕組みになっているので、サブバッテリーの容量が減っても、走行すれば使った分の電気は再び充電されます。
屋根の上に設置したソーラーパネルで発電した電気を、コントローラーを介してサブバッテリーに充電する「ソーラー充電システム」も、キャンピングカーの世界ではスタンダードです。天候さえよければ、エンジンを切った状態でもサブバッテリーを充電することができ、電源の取れないキャンプ場での連泊も可能です。
ほかにも、キャンピングカーには、家庭用のAC100Vコンセントから車内に電気を供給するための「外部電源取り入れ口」が装備されています。専用コードを使ってAC100Vコンセントとつなげば、電気が車内のコンセントに供給され、同時にサブバッテリーも充電してくれます。
オートキャンプ場やRVパークなど、AC電源が完備されている場所であれば、サブバッテリーの容量を心配することなく快適な電化生活を送ることができます。
キャンピングカーの快適な生活に欠かせないサブバッテリーですが、電気の容量に限りがあるため節電を心がけながら使用する必要があります。そのため、キャンピングカーには、サブバッテリーの容量を管理できる計器やモニターが装備されています。
もっともポピュラーなのは「電圧計」。サブバッテリーの電圧の下がり具合を数値で確認でき、大まかなバッテリー容量を把握することができます。最近では、メイン&サブバッテリーの電圧や残量、現在の使用電流、ソーラーパネルの充電状況などの情報をひと目で確認できるマルチモニターや、Bluetoothを使ってスマホやタブレットでサブバッテリーの電圧や残量を確認できるシステムなども多く採用され、「生活電源の見える化」でサブバッテリー管理が容易にできるようになっています。
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